
あのさぁ、ちょっとこのタスクやっといてくんない?



ねぇねぇ、ちょっと課題のレポート写させてよ



ヤベ、財布忘れちってさ~、悪いけど払っといてくんねぇ?



この研究成果は、私の努力の賜物です(嘘)



ちょっとくらい融通利かせてよ~、私たち友達でしょ?



とりあえずコラボしませんか!(チャンネル登録者数0)



…(白目)
皆さんの周囲にも結構いませんか。
しょっちゅう一方的な頼みごとをしてくる割に、こちらから何かをお願いすると、あれこれと理由を付けては断って足早に立ち去る奴。
「それお前にしかメリットなくない?」という話を屈託もなく平気で提案してくる奴。
人の努力や試行錯誤の成果を無料だと思い込み、当たり前のように教えてもらおうとする奴。
あと、シンプルに他人の手柄を横取りにする奴。
上記のような、「常に自分の利益を優先して、与えるより多くを受け取ろうとする人」のことを、巷では『テイカー』と呼ぶのだそうです。
「GIVE(ギブ) & TAKE(テイク)」の「テイク」ばかりしていく人、つまり『テイカー』というわけですね。





他にも、「クレクレ君」なんて呼んだりするよな~
単刀直入にお聞きしますが、皆さんはこの『テイカー』という連中、地上から駆逐したいと思いませんか?
筆者は思います。
しかし悲しいことに、「他人」と「過去」は変えられませんし、『テイカー』が



おれテイカーだったわ、反省して改めよう
と思うこともありません。
思わないから『テイカー』なのです。
ではどうするか、筆者は考えに考え抜いた結果、ある一つのしょうもない「答え」にたどり着きました。
それは、
個々人が「対テイカー防御力」を最大限に高め、その情報を共有すること



普通じゃねぇか!
『テイカー』に対して攻撃を加えたり、彼らに変化を促したりはしません。
ほとんどが無駄な努力に終わりますし、場合によってはこちらが悪者にもされかねませんからね。
その代わりに、連中の習性や対処法などの情報をシェアすることで、『テイカー』という集団の生存可能領域を可能な限り狭めてやろうという作戦です。
平和主義者であり博愛主義者でもある筆者らしい、極めて人道的なプランと言えるでしょう。



カビを防ぐために、こまめに掃除をして湿度を下げ、
換気をするようなものだな
というわけでこの記事では、筆者が調べた範囲の「テイカーの特徴」や「彼らへの対処法」、「振り回されないための心構え」といった情報をまとめています。
【ご注意】
この記事は、『テイカー』を心から憎む筆者が、『テイカー』の生き場所をなくしてやろうという意図で書きました。
不愉快な気持ちになる可能性がある方はここで閲覧を中断するか、自己責任にてご覧いただくようお願いいたします。
また、特定の人々や団体を侮辱したり貶めたりする意図は一切ないことを、あらかじめお断りしておきます。
- 『テイカー』の特徴や見抜き方が分かる
- 『テイカー』から身を守る具体的な考え方、対応方法が分かる
そもそも『テイカー』ってどんな連中?



本題に入る前に、『テイカー』という存在に
ついて正確に定義するべきでは?



んだなぁ~
冒頭でも軽く触れましたが、『テイカー』とは「常に自分の利益を優先して、与えるより多くを受けとろうとする人」のことを指します。
これは、アメリカの組織心理学者であるアダム・グラント氏(Adam M. Grant)が、自身の著書『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』の中で定義した言葉とされています。
心理学用語にある、「返報性の法則*」が適用されない人々のこと、と受け取っても良いでしょう。
※相手から何かを受け取ったときに「お返しをしないと申し訳ない」という気持ちになる心理効果



この記事の大部分は、本書の内容を
参考にさせて頂いております



氏は、人間には以下のようなタイプがいると提唱したぜ~
名称 | 特徴 | 割合 |
---|---|---|
ギバー(Giver) | ・与える人 ・相手の利益を優先して、受けとる以上に与えようとする人 ・他人を中心に考える ・「何かしてあげたい」と考える人 ・「ギブ&ギブン」の考え方 | 25% |
マッチャー(Matcher) | ・与えることと受け取ることのバランスをとろうとする人 ・言葉通りの「GIVE & TAKE」の実践者 ・「何かしてくれたら、自分も何かしてあげよう」と考える人 ・五分五分にして、帳尻を合わせる人 | 56% |
テイカー(Taker) | ・受け取る人 ・自分の利益を優先して、与えるより多くを受けとろうとする人 ・自分を中心に考える ・「何をしてもらおうか」と考える人 ・「テイク&テイクン」の考え方 | 19% |


この書籍には、ギバーとして生きることの長期的なメリットなど、非常に学びの多い内容が豊富に記されています。
今回は、その中から「テイカー対策」として特に有効な項目をピックアップし、引用させていただきました。
ちなみに、グラント氏がさまざまな業界や文化圏に属する30,000人の人々に行ったインタビューによると、回答者の半数以上(56%)がマッチャーであることを自認しており、調査対象者の19%がテイカー、25%がギバーであると自認しているそうです。
しかし、この「自認」という言葉、なんだか気になりませんか。
根拠と思われる資料にも「identified themselves」と書かれているし、ChatGPT先生に確認してみても、この調査結果は回答者の自己申告によるものと返ってくるのです。
と、いうことは…
根拠はまったくありませんが、筆者は半ば確信しています。
現実の世の中には、19%という数字のほかに『無自覚性テイカー』たちが存在していることを。
多分ですが、本当はもっとたくさんの敵がいるのではないかと思っています。



ネガティブな野郎だな!
なぜ『テイカー』の存在が問題なの?
話が少し逸れましたが、ではなぜ、『テイカー』という存在が問題になるのでしょうか。
基本的に、彼らは自分の利益を大きくするために、ほかの人から「知力」、「エネルギー」、「能力」を奪います。
また、『テイカー』は自分の観点からしか物事を見ようとしないので、ほかの人が自分の「アイデア」や「意見」にどんな反応を示しているかに気付くこともありません。
彼らは他人を信頼せず、ほとんどの他人もテイカーであると決めつけているので、同僚や部下の可能性に期待をかけることもまずないのだそうな。
さらに、『テイカー』はほかの人の意図を常に疑ってかかるので、自分に害を与えないか、絶えず警戒しているといわれます。


そんな人が職場にいたら、どうでしょうか。
こうした「人の可能性を信じようとしない態度」が悪循環を生み、同僚や部下のやる気を失わせ、成長を妨げてしまうことは想像に難くありません。
『テイカー』の総数は決して多くはないのかもしれませんが、身近にたった1人でも存在することの「破壊力」はお分かり頂けるのではないでしょうか。
「支え合い」と「共有」で「信頼」を築いていたチームに、たった1人『テイカー』が紛れ込むことで、そこが「奪い合い」と「隠匿」がはびこる「猜疑」の空気感に支配されることもあり得るのです。
特に組織運営やチームでのプロジェクトにおいて、『テイカー』の排除は急務といえるでしょう。



とはいえSNSが普及した現在、基本的にテイカーは
活動しにくい状況になっているそうだ



あっという間に評判が拡散するからな~
そういうお前(筆者)はどうなんだい?



さんざん『テイカー』を悪く言っているが、
そういうお前はどのタイプなのだ?



公正を期すために、正直に言うぜ
これもあくまで自己申告になりますが、筆者は自分のことを「若干テイカー寄りのゴリゴリのマッチャー」だと思っています。
間違っても、自分のことをギバーとは言えません。
もしギバーだったら、『テイカー』を排除するための記事を書くことに、わざわざこんなに情熱を燃やしてもいないでしょう。
人から何かをもらってやろうとは思いませんが、正直そんなに他人を信用していないし、人の可能性にかけるほど興味ももてない。
その一方、「GIVE & TAKE」は五分五分であるべきだと感じているし、他のマッチャーと同様、自分は「目には目を」の信奉者だと自認してます。
そういう意味で、「テイカー寄りのマッチャー」という感じです。





ま、そういう奴が書いた記事だと
思ってくれたらありがたいぜ~☆
『テイカー』と呼ばれる人々の特徴
テイカーは自分のことで頭がいっぱいなので、三人称の代名詞(私たち)より、一人称の代名詞(私)を使うことが多い。
彼らは思い上がり、優越感や特権意識をもち、常に人の関心と賞賛を求め、注目の的になりたがり、尊敬を強要し、自己顕示欲が強く、尊大である。
アダム・グラント『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』三笠書房 2014年
これは、アダム・グラント氏の著書『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』の中で説明された『テイカー』の特徴です。
誰しも自分の人生を有意義に生きたいと思っていますし、できれば彼らとは関わることなく過ごしたいと感じているでしょう。
ここでは、人々を困らせる『テイカー』と呼ばれる人々によく見られる、複数の特徴をリストに挙げています。
誰にどう刺さるか分からないので、変に精査はせず、できる限りの数を列挙してみました。
利己的・自己中心的な思考
- 常に与えるより多く受け取ろうとする
- 人の「時間」、「知識」、「労力」を奪う
- 「自分にとって得かどうか」が判断基準
- ゼロサム思考で考えがちで、誰かの成功は自分の脅威と見なす
- Win-Winの発想が希薄
- 競争意識が強い
- 短期的な利益を求めるので、後のことを考えていない印象
- 目先の利益、権益を目的とするため、言動に一貫性がない
- 楽して簡単に儲けようとする、利益を総取りしようとする
- 利益が残る場合に限り、相手に与える
- 他者の貢献を尊重しない、認識しない
- 人にマウント取りがち
- 情報共有に消極的
- 承認欲求の鬼、自画自賛
- 「良かれと思って」風で利益を得ようとする
※実績にHP作らせてあげるよ~的な - 困っている時だけ愛想よく近づいて、用が済んだら知らんぷり
- 調子が良い時は友達面してるけど、不調の時はいつの間にかいない
- ノート見せて、コピーさせて、宿題写させて、車貸して、Wi-Fiかして


他者との関わり方(操作・搾取・不誠実)
- 強気な話し方をする傾向があり、独断的で、率直
- どんな関係性でも主導権を握ろうとする
- 会話を遮り、人の話すターンに割って入る
- 自分の評価を上げることを最優先する
- 「自己アピール」、「自慢」、「自分の売り込み」がエグイ
- 自分に利益を与えない人への接し方が雑
- ギブする場面、見返りを求められた場面で態度・顔色が変わる
- 一見魅力的な人物で、おねだり上手、うわべは人当りが良く愛想も良い
- 頼み事がある時だけ愛想が良いが、目的が達成されると知らん顔
- 関わっていて何となく不安・不快・心がざわつく
- 被害者面、助けてもらえて当たり前
- 見返りありきで何かを「Give」しようとしてくる
- 普段は連絡しないのに、お金や人脈、手助けが必要なときだけ頼ってくる
- 「ちょっとだけ頼みたい」の内容が重い
- クレーマー気質、「無料サービス」「割引」「詫び石」とかに敏感
- 「自分はお客様」という態度がナチュラルにデフォルト
- 影響力のある人と知り合いとか言いがち
- プロに「ちょっと聞きたいんだけど」とただでアドバイスをもらおうとする
- 「ありがとう」を言わない人は、継続的に搾取するタイプが多い
- すぐに自分の話をし始める
- 求められていないのにアドバイスをする
- シンプルに関わったあと疲れる


責任回避・信用に欠ける行動
- 権限や役得は求めるが、責任を回避する傾向
※証拠が残る書類にサインしないなど - 約束を反故にしやすい
- 責任転嫁の傾向
- 他人の功績を自分の手柄にする、他者の功績を口にしない
- 自分が得するだけのコラボを企画する
- 面倒な仕事を人に丸投げする、自分は苦労しないよう操作しようとする
- 情報にせよ金品にせよ、どうにかして無料で手に入れようとする
- リーダーだとしたら、一人称が「私」で「私たち」などは使わない
- 自分のプライドやメンツを守るために失敗を正当化する
- 浪費癖がある傾向
- 批判されたと感じると、忠告を受け入れなくなる
- 被害者意識も強い
- 不満は多いが、努力はしない
- 助けに対してお礼を言わない、不義理に対して謝罪しない


傲慢・支配的な態度
- 他者への批評が多い、他を下げて自分を上げようとする傾向
- 権力者にはこびへつらい従順、目下の者に冷酷で支配的
- 人に自分の価値観を押し付ける
- 「あいつは俺が育てた」
- 「自分がやってあげたこと」はえらく大げさに吹聴する
- 目が笑っていない、狩人の目つき



まぁまぁの数が出たな



とはいえ、全部当てはまる人も、
一切当てはまらない人もいないだろうなぁ



要はトータルのバランスだわな~
『テイカー』を見抜く術を身につけよう
続いて、誰が『テイカー』であるかを見抜くための、具体的な方法について考えてみましょう。
大前提として、彼らの本性を看破することは容易ではありません。
『テイカー』は利益を得るためにうわべでは愛想よく振る舞い、人当りも良くて一見魅力的な人物であることが多いからです。
ドイツの心理学者トリオによれば、初対面で一番好感をもたれるのは、「権利意識が強く、人を操作したり利用したりする傾向のある人びと」なのだとか。
また、グラント氏の著書にも、以下のような記述があります。
多くの場合、我々は人柄を示すものに頼るが、こうした手がかりを当てにすると惑わされることがある。
感じがいいか悪いかは、その人が自己中心的か他者中心的かということとはまったく関係ない。
これらは別個のものであり、正反対のものではない
アダム・グラント『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』三笠書房 2014年
とはいえ、「第一印象が良い奴は全員クソ」と決めつけてしまうのもさすがに乱暴なので、いくつかの有効そうな手段を挙げてみます。
「定番の質問」で見抜く!
『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』の著者アダム・グラント氏によると、テイカーを見抜く効果的な質問があるといいます。
「あなたがこれまでに影響を与えたと思う人物を挙げてください」
この質問に対して、対外的に見て影響力や権威性が自分より上の人間を挙げる人物は『テイカー』である可能性が極めて高いそうです。
『テイカー』の心理として、「社会的な影響力や権威をもつ成功者に影響を与えた自分」の優位性をアピールしたい、ということのようです。
逆に、この質問に立場が下の人物や同僚・後輩などの身近な人間を挙げる人は、ギバーである可能性が高いのだとか。



自分より格上の人間に「あいつはわしが育てた」
って言うんだろ?



その時点でメンタルやべぇ奴じゃねぇか…


有効な方法であることに違いはありませんが、筆者は個人的に、この質問にも弱点があると思います。
それは、



実際こんな質問する暇なくね?



挙げた相手が知らん奴やったら、判断しようがなくね?
ということ。
また、コミュ障の筆者的には、「テイカーの疑いがある人」と接点をもつこと自体がハードル高いですし、可能であれば遠目から判断する基準が欲しいと思ってしまいます。
さらに、リテラシーが高くて『テイカー』じゃない人ほどグラント氏や彼の著書を知っているでしょうから、この質問をすることで逆に



えっ、もしかして俺、疑われてる?
と、不愉快にさせてしまわないかが気になります。
筆者がこの質問をされたら、きっといま疑われているんだろうな~と感じて、じゃあいいです~と立ち去ってしまうと思います。
普及すればするほど使えなくなる、心理学テクニックのジレンマ的なやつかもしれませんね。
というわけで、別の方法も検討してみましょう。
「SNS」での言動で見抜く!


『テイカー』の特徴は、SNSの運用にも表れるといいます。
研究によると、彼らが投稿している内容は、押しつけがましく自己中心的で、もったいぶっていると見なされ、使っている引用も傲慢な印象を受けると評価されたそうです。
実績や成果の強調、自分の凄さのアピール、交友関係の広さの自慢などが当てはまるでしょう。



頼まれもしねぇのに、長文で上から説教こいてる奴とかな
また、『テイカー』は自分の映りが良い写真、ナルシスティックな実物以上に良く見える写真を頻繁に使い、周りの人間を引き立て役として利用します。
彼らのアイコンには行き過ぎた加工と高い露出度が見られ、慎み深さに欠ける印象を受けることも分かっています。
そのほか、ある調査では、『テイカー』はFacebook上の「友だち」がやたらと多かったそうです。
「他の人への対応」で見抜く!


イギリスの辞書編集者のサミュエル・ジョンソンはかつてこう書いたといわれています。
「自分にまったく利益をもたらさない人間をどうあつかうかで、その人がどんな人間かがはっきりわかる」
『テイカー』は如才なく、愛想が良いという印象を与えますが、与えるよりはるかに多くを手に入れようとしていることが多いもの。
逆に言うと連中は、「自分の利益」に直結しない人間に対して、割と露骨に雑な対応を見せます。
対象が『テイカー』かどうかを見極めるために、あなたに対する態度だけでなく、その他の人々への接し方を確認するのも有効でしょう。



具体的には、以下のような感じだな
- 上司や権力者に媚びへつらう一方で、部下や後輩に対して高圧的・支配的でないか
- 飲食店やコンビニの店員さんに横柄な態度をとっていないか
- その辺のお年寄りや子どもにも最低限の礼節をもって接しているか
- 人に道を聞かれた時の対応は最低限で丁寧か
筆者の個人的な所感として、『テイカー』の連中は



そんな露骨にスイッチ切り替えて、
どっかで見られてるとか考えねぇのか?
と、若干の恐怖を覚えるレベルで、当たり前のように態度を変貌させます。
器用でレベルの高い『テイカー』はその限りではないかもしれませんが、ある程度の有象無象ならこれで見破ることができるのではないでしょうか。
また奴らは、普段は相手にしない人物にも「利益になる」時だけはすり寄ったりするので、「普段からやり取りがないのに、困ったときだけ連絡してくる人」なんかも要警戒です。
逆に、他の人にはつっけんどんなのに、自分にだけやたら優しいという場合も、『テイカー』が何かを狙っている可能性があるでしょう。



どーせ「保険」「投資商品」「宗教」のどれかだろうしな
「小さなギブ」で見抜く!


この方法は実際に相手と接することになるので若干ハードルが高いものの、身近で関わらざるを得ない人間に対しては、なかなか有効な手段かもしれません。
それは、「あえて小さなギブをしてみる」というもの。
具体的には、以下のようなものです。
- 席や場所を譲る
- 扉を開けてあげる
- ある程度有益な情報を共有する
- お店の予約など、ちょっとした幹事を引き受ける
- 誕生日にちょっとしたお菓子くらい贈ってみる
- 掃除当番を1回だけ代わってあげる
などなど。
あなたの痛手にならない範囲でほんの少しのギブをしてみましょう。
その際、以下の点がチェックポイントです。
- きちんとお礼が言えるか
- やってもらって当たり前みたいな態度じゃないか
- 「前にやってくれたから今回もやってくれるでしょ」パターンにならないか
さらにダメ押しするなら、その後、同じ相手に「5分くらいで済む簡単なお願い」をしてみます。
本当にやってもらう必要があるタスクじゃなくて大丈夫、あくまで実験用です。
まともな人間なら「返報性の法則」が働くので、快く引き受けてくれるか、すぐには無理でもどうにか対応しようと考えてくれるでしょう。
しかし、この状況にあっても



あ、今ちょっと無理だわ
なんてリアクションを返す奴や、露骨に嫌そうな顔色になる奴がいたら、そいつは『テイカー』の疑い濃厚とみて問題ないのではないでしょうか。



この行動自体が「戦略的テイカー」
と見なされるリスクもあるがな
また、どうせ相手に近付かなければならないのであれば、その細かい動作に目を配ってもいいかもしれません。
- 残り少ないトイレットペーパーの芯を替えてくれるか?
- 消し忘れの電気を黙って消してくれるか?
- 小さなゴミを捨ててくれるか?
ほんのちょっとした、しょうもない生活動作の一部ですが、人の性格ってこういうところにも出るんじゃないかと思います。
「罪悪感」で見抜く!


自信満々に物事を断言するのは『テイカー』のお家芸なので控えたいところですが、こればっかりは概ね断言しても良いんじゃないかと考えています。
それは、『あなたに「罪悪感」を抱かせる奴は、全員が敵』ということ。
『テイカー』かどうか超えて、もはや「敵」です。
あなたの身の回りには、こんなことを言って、あなたを動かそうとしてくる奴はいませんか。



俺たち、仲間だよな?



私たち、友達よね?



困っている人に手を差し伸べる優しさはないのか?



苦しんでいる人に対する思いやりはないの?



あなたのためを思って言っているのよ



君がやらなければ、他の誰かが非常に困ることになる



前に○○してあげたことあったよな?



俺のこと好きなら、○○してくれるよな?



(私の言う事を聞かなくて)残念です…
こんな言い回しであなたをコントロールしようとする人間は、もちろん『テイカー』である可能性が高いでしょうし、そうでなくてもシンプルに「敵」です。
それがたとえ肉親であってもです。
あなたがもし罪悪感をもったら、それは自分に過失があるのではなく、相手があなたを支配しようとしているのだと警戒しましょう。
「交友関係」で見抜く
「類は友を呼ぶ」といいますが、『テイカー』も『テイカー』同士でコミュニティを形成する傾向があるそうです。
見た目は超さわやかな好青年で清潔感もあるのに、つるんでいる相手が明らかに反社とかチンピラみたいなパターン、たまにありますよね。
直接関わっている相手が上手に本性を隠していたとしても、その周りの連中も同じくらい器用とは限りません。
「どんな友達と関わっているか」
これは非常に有力な判断材料となるでしょう。



筆者みたいに「友達がいない」場合は
クリアで良いんだよな?



その場合は別の角度から警戒されるだろう
『テイカー』への対策法を身につけよう



奴らの見極め方が分かっても、
結局は対策できないと意味ねぇよな



その通りだ
ここでは、我々の敵である『テイカー』への対策を、「自分の心構え」と「具体的な対応法」の2つに大別して考えてみたいと思います。
とはいえ、個別具体的なケースを想定した局地的な戦術では頭が覚えきれませんし、いざという時に効果的に運用することも難しい気がします。
そのため今回は、できる限り大まかに、汎用性が高い形で対応法をご提案できればと考えています。
まずは不審者を近づけない雰囲気から!
振り回しづらい空気感を身につけよう!


ここでご紹介する内容は、モラハラ対策カウンセラーJoe氏の著書『私を振り回してくるあの人から自分を守る本』を参考にさせて頂いています。
氏は著書の中で、相手から振り回されないようにするためには、「威圧感と優しさのバランス」をもつことが重要であると説いています。
簡単に言うと、言外に「コントロールしづらい」という印象を相手に与えるということで、そのためには、普段の身振り手振りを意識的に変える必要が生じます。



以下、具体的に見てみよう
- 「目線は真っ直ぐか、それ以上」と心がける
- 歯を見せない「ニヒルな微笑み」を意識する
- 動きは「大きくゆったり」と
- 「地声でゆっくり」話す
- 沈黙に対して「無責任」になる
時と場合によって行動様式を変えるのではなく、「大きくゆったり」を固定化することで、相手に「振り回しづらい」という印象を与えられるそうです。
確かに、他人にコントロールされがちな人って、相手の動きや温度感につられて自分の振る舞いを連動させていますよね。
また、そういう人はたいてい、上ずった声で早口で話しています。
その状態を遮断するために、形だけでも「大きくゆったり」と動き、相手がまくし立てようと「地声でゆっくり」と話す。
この話し方をすると、相手のコントロールから外れることができるだけでなく、本人の説得力が増します。
加えて、場当たり的に言葉を発しているのではなく、しっかり考えて話している印象になります。
つまり腹を割って、本音を話しているように見えるというわけです。
さらに、わざとでも動きをゆっくり緩慢にすると、そのぶん頭の余裕・考える時間を確保できますよね。



オードリーの春日さんみたいな感じかね~



確かに、コントロールはできなさそうだよなぁ~
また、沈黙を埋めようとして、ついあれこれと気をつかって話してしまうのも、振り回されがちな人の特徴の1つなのだそうです。
沈黙を埋めるなんて、本来なら相手にそんな気をつかう義理はありません。
「何とかしなくちゃ」というのは、まさに振り回される側の意識です。



確かに、この5つを身につければ、
ただ者じゃないオーラを放てるかもしれないな
現実の世界で身を守ろう!具体的な対策方法





んだらば、具体的な方法も挙げてみよか~
グラント氏の著書『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』によれば、『テイカー』と相対する際の対処法は、至ってシンプルです。
それは、
『テイカー』を相手にするときだけ
「マッチャー」になる
というもの。
いくらあなたがギブの精神に溢れていても、『テイカー』がそれに思いをはせることはありません。
あなたがいくら与えても、返ってくるのは「感謝」や「見返り」などではなく、「増長」と「次なる要求」です。
そういう連中を相手にするのであれば、自分も一時的にマッチャーとなり、『テイカー』にバランスを求めればOK、ということですね。
グラント氏はこの対応を「しっぺ返し」と呼んでいますが、さらにその有効な運用方法についても言及されています。
ただし、しっぺ返しは与えることと相手に合わせることを、交互にくり返すほうが有利なことがわかっている。
これを「寛大なしっぺ返し」という。
「寛大なしっぺ返し」のルールは「よい行ないはけっして忘れず、悪い行ないをときどき大目に見る」ことだ。
寛大なしっぺ返しでは、三回に二回は張り合うが、三回に一回は協力的な態度で応じるのである。
「寛大なしっぺ返しは、しっぺ返しを簡単に帳消しにすることができるうえ、食い物にされることからも守ってくれる」と、ハーバード大学の数理生物学者のマーティン・ノバックは書いている。
アダム・グラント『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』三笠書房 2014年
- 『テイカー』を相手にするときには、自衛のために、マッチャーになる
- ただし、三回に一回はギバーに戻って、テイカーに名誉挽回のチャンスを与える
- 『テイカー』の感情ではなく思考を分析し、効果的なタイミングで与える
確かに、これなら変な逆恨みや報復の危険性を心配しなくても良さそうですね。
では、この「寛大なしっぺ返し」をベースとして、3回のうちの2回、相手に「No」を伝える方法を検討してみます。
「No」は短く爽やかに、かつきっぱりと


『テイカー』からの要求を断る際や相手の勝手な押しつけを断ち切りたいとき、自己主張するときや話をさっさと切り上げたいときなどは、「短く、爽やかに言い切る」ことが肝要です。
「強く断る」のではなく、「どこまでも屈託なく、無邪気に断る」ことを意識します。
普段の立ち振る舞い、「地声でゆっくり話す」とは真逆ですが、それが良い方向にギャップとして効いてくるのだそうです。
「断る」ことは「お願い」でも「相談」でもなく、単なる「通達」です。
話し合う必要はなく、納得してもらう必要もありません。
ただ伝えるだけです。
自分の正当性を理解してもう必要もなく、ただ諦めてもらえばOKなのです。
あなたが相手にしているのは、搾取を生業とするハンター『テイカー』です。
話が長引けば長引くほど、状況は相手にとって有利になるでしょう。
それに、できることなら関わりたくない相手なのだから、最終的に嫌われても構わないという覚悟で臨んでも良いのではないかと思います。
向こうの方から関係を切ってくれればしめたもの、人生におけるトータルのメリットは大きいと感じます。



気をしっかりもたねぇとな
具体的な「断り方」のプランを考えてみよう



考え方は分かるけど、断るの苦手なのよね~
という方向けに、断る際の具体的な言い回し等々を列挙してみます。
- 「あなたが言っていることは正しいと思うよ(肯定)、でも私はやらないけどね(通達)」
- 「なるほど、そうなんですね(納得)、でも私はやめておきます(通達)」
- 「あなたの期待に応えるつもりはありません(通達)、ごめんね(軽い謝罪)」
- 一瞬考えて(真摯に検討しているふり)、断る(通達)
- 「提案やご忠告ありがとう(感謝)、でも今回はやめておきます(通達)」
- 身内を理由に断る(例:夫が反対している、祖父母の体調が…)
- 「手伝うことができなくてごめんね(通達)、でも応援するから頑張ってね(エール)」
- 「それは○○さんの方が詳しいんじゃない?」別の人に回して逃げる(二次被害のことはちゃんと考えてね)
情報は可能な限り秘匿する


『テイカー』に対して、無闇に自分の情報を晒すのは悪手です。
相手に付け入る隙を与えるだけだからです。
個人的な情報は、知りたがっている人に、知りたがっているだけ与えるようにすると良いでしょう。
振り回されやすい人ほど、テンパって聞かれてもいないことをべらべら喋ってしまいがちだとも言われます。
『テイカー』の行動は頼みごととは限らず、あなたから何らかの情報を引き出して、マウントをとろうとしている場合もあります。
そういう場合は、どうでもいい世間話や一般論で切り抜けるのも有効ですし、
- 「特に意見はありません」
- 「特に感想はありません」
- 「それについて深く考える気はありません」
- 「知りません」
という回答を、立派な選択肢の一つとして持っておくことも重要ではないかと思います。
本心は出し惜しみするくらいでちょうど良いですし、身を守るだけでなく時間の節約にもなりそうですよね。
「鈍感で気付かない自分」を演出する


『テイカー』の餌食になりやすいのは、やはり周囲の空気や相手の機嫌の変化に敏感な、感度の高い人々でしょう。
連中はそういう人たちを狡猾に見抜きます。
そこで、私たちは身を守るために、「相手の不機嫌に気づかないふり」をしましょう。
『鈍感力』、察しても反応しない、みて見ぬふりです。
「構ってちゃん」や「察してちゃん」のクソどもはその本質が『テイカー』ですし、明らかに「やって欲しい空気」を出しているくせに、いざ手を貸すと「私は頼んでいない」と責任を回避します。
優しいあなたは連中の「感情」を察するのではなく、頭の中の「思惑」を推測すると良いのではないでしょうか。
おのずと、気付かないふりをしてスルーするという最適解が導き出されるでしょう。
ちょっとした一言、態度で『テイカー』に圧をかける


頼みごとをきっぱりと断る以外にも、『テイカー』とのやりとりはさまざまなパターンで展開されます。
ここでは、連中の増長を少しでも抑制するための、具体的な言い回しや態度のとり方を考えてみたいと思います。
- ほんの数十センチ、物理的に距離を詰める
→心理的圧は意外と効くらしい - クソみたいな絡みには、一瞬だけ口角を上げて「真顔」で沈黙
(こわ…) - 何か「やってあげるよ」と言われたら、「何も見返りは用意できないけど良いですか」とはっきり聞いてみる
→戦略的テイカー対策として - 何か頼まれたら、「で、あなたは何をしてくれるの?」と聞いてみる
- 「ちょっと考えさせて」と言うクセをつける
→ちゃんと考える余裕をつくる - 「この件については上司に相談しますね」「上に直談判します」と伝える
→責任者や権力者を1枚嚙ませることで、暴走を防ぐ - 「今度はあなたの番ね」「次はお返ししてね」と付け加える
→しっかりマッチャーとして振る舞う - 何か頼まれたら、「今のタスクを終えてから考えます」と答える
→小さなお願いでも、調子よく引き受けず、慎重に対応 - 特に金の貸し借りはご法度、「財布を忘れた」と言われても「じゃあ一緒に取りに行こう」と答える。
- メールやチャットで記録に残す、チーム全体で情報を共有する
→水面下での暴走、手柄の横取り防止 - 「この仕事を引き受けるなら、何か手伝ってもらえますか?」と交換条件を提示
→事前に釘を刺す - 「手伝える時間は〇〇分まで」と先に制限を決める
→何時間も付き合わされるのを防ぐ - 「ググれば一瞬で出てくるよ」「その件なら、ネットで調べたら出てくるかもよ!」と誘導
→まずは自分で動け - 「あなたなら簡単にできると思うよ」など、軽くプライドを煽る
→できない方がヤベェ感を出しても吉 - 引き受けるにしても「今回だけ」「今回限りだからね」と釘を刺す
→『テイカー』は「前してくれた」=「次もしてくれる」 - 「誰が何をやるか」を事前に決め、テイカーのサボりを防ぐ。責任の所在を明確にしておく
→「フリーライダー」とも呼ぶ - 相談を装って仕事を押し付けられそうになったら「まず自分でやってみて」と言う
→1回は返そう - 「それは私の仕事範囲ですか?」と確認する
→説明責任をもたせるだけでも圧になる - 無理難題な報酬、法外な担保を要求してみる
→「やってあげるけどお返しがくるまでプレステ5預かりまっせ」など
おわりに



いやぁ、とんでもねぇ文字数になっちまったなぁ



筆者の怨念と怨嗟が溢れ出した、
ネガティブ思考マックスの記事だな
筆者の魂を救うことはもはや不可能ですが、この記事の内容自体は、心優しい皆さんにポジティブに作用するよう願いながら書きました。
他人と過去は変えられません。
『テイカー』をギバーに変えることも、彼らを成敗することもできません。
できることはただ1つだけ。
自分の認識をレベルアップして、徹底的に避ける、身を守ることです。
この記事でお伝えしたいことも、敵を攻撃するための技術ではなく、本当に力になりたい人にリソースを割けるようにしておくために、防御の型として対応法を覚えておこう、的なメッセージです。
本編の内容とも重複しますが、筆者が他でもない自分自身に強く言い聞かせたいことを備忘録的に残しておきます。
- 自分が罰しなくても、テイカーからは自然と人が離れていく、身を守る事だけを考えよう
- マッチャーは自分の利益を犠牲にしてでも、利己的に振る舞うテイカーに仕返しをしようとするが、寛大に振る舞うギバーにはきちんと報いようとするので、自信を持って「Be ギバー」に挑戦して良い
- 「親切な人」と思われるより、「ちょっと面倒な人」と思われた方がトータルでQOL高い(筆者はすでに十分面倒)
- そもそも、十分な関係値がない段階で何かを「お願い」してくる時点で、そいつは既にだいぶ怪しい
筆者のような人間が本物のギバーになれるのは、おそらく来々々々々世くらいでしょうが、今世でも少しずつ徳を積んでおこうと思います。



でもよぉ、自分を良く見せるのが仕事の芸能人が
全員テイカーってこともねぇよなぁ



それ以外の部分で見分けなきゃいけねぇのかなぁ



心配するな、お前がそんな人たちと関わることは一生ない
–完–
参考にさせて頂いた書籍・WEBサイト等
- アダム・グラント『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』三笠書房 2014年
- Joe『私を振り回してくるあの人から 自分を守る本』WAVE出版 2021年
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