【健康】筆者が禁煙したときの話【体験談】

【健康】筆者が禁煙したときの話【体験談】

はじめに

 「FIRE」なんていう概念も流行っており、経済的に豊かになったり自由になったりすることを志す方が増えている昨今。筆者もご多分にもれずその一人であります。その為には収入を増やすのが大切な一方、毎月確実に出ていくいわゆる「固定費」を削減することも重要になってきますよね。

 多くの人が様々な節約案を考えたり副業で収入アップとかを実践したりするのですが、おそらく多くの人が可能な限り目を背け、最後の最後まで手を付けずに「これは必要経費」と思い込もうとしている2大要素があると思います。はい、

「酒」と「たばこ」

ですね、明らかに。

嗜まない人にとっては「なんのこっちゃ」でしょうが、嗜む人にとっては死活問題。アンタッチャブル。触れてはならない闇。

「わかっちゃいるけど、どうしようもない」部分ですよね。まじで分かります。筆者はこのうち、どうにか「禁煙」には成功しております。

2020年6月15日午前。まだ会社員をやっていた筆者は、お客さんの会社へ訪問する前に立ち寄ったセブンイレブンで何を思ったか「もうやめよう」と思い、まだ半分以上残っているハイライトとすべての100円ライターをゴミ箱にぶち込みました。それ以来今のところ1本も吸っておりません。

期間にするとこの記事の執筆開始時点で954日と13時間。だいたい2年半ちょっとくらいでしょうか。

禁煙のプロからするとまだまだでしょうが、何とか続いています。

 これまでにも数多くの偉大な事をその精神力と機転で成し遂げてきた筆者ですが、この「禁煙」も後世に残すべき挑戦だと思います。その記録を、ここに記しておかなければならないという使命感に駆られております。

 禁煙してしまえば、お金の面だけでなく健康面でも当然メリットが大きいので、このしょうもない記事が誰かの背中を後押しする役割を果たしてくれればと願います。

ちなみに「お酒」は、完全にやめるつもりは一切ないです。
ただし「ちょっとアル中直前だな」とか「最近酒量が増えすぎているな」と感じた時や、何か新しいことを始める為に勉強をする時などは、3~4ヶ月程度完全に断ってしまい、一旦毒抜きと時間確保を行います。
そして「そろそろいいかな?」と思った段階でまた少量から楽しむ感じの距離感で付き合っています。お酒も毒物なのは間違いないですが、こちらは物理的に美味しいですからね。まったく無くすのは少し寂しいと感じてしまいます。

※ さらにちなみに、サムネ画像の「辞める」は多分使い方を間違っています。普通に間違えました。

筆者の喫煙歴

 厳しい家庭に育ち真面目だった筆者は、中学生や高校生の時から悪友と隠れてタバコを吸うなんてことは出来ませんでした。普通に二十歳を過ぎた大学生のころ、泥酔して意識朦朧としている筆者に悪い大学生がタバコを吸わせ、そのまま筆者の喫煙歴がスタートしたのです。

 特にタバコが美味しいとも何とも思わなかったのですが、こと「大学」という環境では、喫煙所におけるコミュニケーションやそこで得られる情報がなかなか馬鹿に出来ない価値がありました。

 特に筆者はかなりのコミュ障なので、タバコをきっかけとした交友関係の発展に頼る部分もあり、何となく喫煙を続けたのです。

 大学卒業後に会計事務所に就職。はっきり言ってストレスマックスの毎日。起床している時間の9割はイライラしているという環境で、タバコはコミュニケーションツールから立派な依存対象になっていきました。

 だいたい1日に1箱弱程度、当時はまだ1箱450円くらいだったので月に7,000円程度の出費でしたでしょうか。「セブンスター」に始まり「赤マル」とか「キャメル」なんかにも手を出し、時々「ブラックデビル」とか買っちゃう微笑ましい大学生でした。最終的に社会人になって、「ハイライト」に落ち着きました。

 その後様々な理由でやめる決意をするまで、約10年ほど喫煙を続けておりました。喫煙というジャンルでいうと決して長いわけではありませんでした。

禁煙を決意したきっかけ

 筆者の場合、大病を患うなど禁煙を決意せざるを得ないショッキングな大事件が起こったわけではありませんでした。どちらかというと、ちょっとした「もやもや」とか「罪悪感」が累積した結果、あのセブンイレブンでの投棄事件に発展していったのです。主な理由は以下の通り。

子どもが生まれたこと。これが最も大きい。大事件ではあるか。子どもはもちろん、自分自身の人生についても生まれて初めて真面目に考えだしました。副流煙被害とか、特に「乳幼児突然死症候群」がマジで怖かったです。

 これだけ見るとなんか素敵なパパぶってる感じですが、実際はそんなんではありませんでした。子が生まれてすぐに禁煙したわけでもなければ、妻の妊娠中に控えていたわけでもありませんでした。

 子どもがだいたい5ヶ月になるくらいで、ようやくその貧弱な自制心が重い腰をあげたのです。それまで、ベランダで一服して戻った後にすぐには子どもに近づかず、手洗いうがいをしてから抱っこする(実際ほぼ意味ないけど)ような感じでした。

 少しずつ成長し、リアクションも増えてきて可愛いから抱っこしたいのですが、「さっきタバコ吸ったばかりだな~」的な罪悪感にだんだん疲れていきました。ほっと一息ついてストレス解消しているはずなのに、なんか違うストレスが累積している。そして思いました。

「あれ?これだれも幸せになってなくない?」

② 職場での喫煙者弾圧が過激化したこと。

 職場周辺での喫煙が禁止になったので少し離れた場所を探さなくてはならなくなったり、ただでさえ忙しくイライラしている状況で「喫煙場所とタイミング」が脳のキャパを一部占有している状況は客観的にみて非合理的・不健康でした。

 普通なら禁煙のきっかけを与えてくれた会社に感謝しそうですが、そうは問屋が卸しません。中小同族企業あるあるな感情的な思いつき施策で、「若手はタバコ吸っちゃだめだけど、ベテラン(50代以上)は仕方ない」とかいうわけのわからんガバガバルールでした。

 筋の通っていない理不尽な弾圧によって、さらにストレスが増加していったのです。そして思ったのです。

「トータルでストレスの方が多くない?」

 実際、ただでさえ忙しい日常の中に「喫煙」という文化があると、以下のような要素を常に+αで気にかけて生活していかなくてはなりません。

  • 「あとタバコ何本あったかな?どれくらい持つかな?」
  • 「この道で行くとタバコ吸えるのあのコンビニだけだな。そこに寄るルートで行こう。」
  • 「みんなに合わせてここのお店に来たけど、禁煙だし吸えるとこないんだよな。」
  • 「今から飛行機で〇時間だから、このタイミングで吸っておこう。」
  • 「〇時から人に会うから、逆算してこのあたりで吸っておこう。」
  • 「あそこはタバコ吸えないから、ちょっと遠回りだけどあっちに行こう。」

慣れているとたいしたことだと感じないのですが、よくよく考えてみると余計な事に脳のリソースを回しちゃっているんですよね。

 ここは個々人の考え方の部分になるので正解不正解ないのかもしれませんが、筆者個人としては

喫煙で「得られる快楽」<「得られるストレス」

に考えがまとまってしまったので、ここで「そんならもうやめてしまえよ!」となったわけなのです。

 実際、喫煙が「ストレス解消になる」というのは思い込みで、実際は「ストレスを作る原因」になっているんだそうです。医療系の記事だとたくさん同じことが書いてあります。

① 喫煙によってニコチン切れの禁断症状が起きる身体に。そのタイミングでイライラしだす。
② タバコを吸うことで禁断症状が一時的に緩和され、気分がスッキリする。

 喫煙をしていると、上記の②の段階でストレスが解消されたと感じているということみたいですね。つまり、常にマイナス状態の身体がタバコを吸ったタイミングだけ0に戻っているだけ

 プラスになっているわけではないし、何なら喫煙しなければマイナス状態になることすらない、という事です。なんか恐ろしいですね・・・

 筆者が好きなRPGゲームっぽく例えると、

『タバコ』というアイテムを使用すると気力が毎秒5ポイント減少する。もう一度使用すると気力が一定量回復するが、その後再び気力は減少を始める。

みたいな感じでしょうか?逆に分かりにくくなってたらすみません。要するに、

「単なるデバフアイテムやんけ!!!」

という事なんです。その通りなんですよね、恐ろしいことに。デバフアイテムをわざわざ自らに付与してプレイしている、もはや縛りプレイ状態ってことみたいです。筆者もこれを知った時は正直愕然としました。

禁煙の経過と辛かったこと

 ここからは、禁煙時の経過やどこがどう大変だったかなどを記録していこうと思います。それに先立って、「禁煙時の辛さ」には大きく分けて2種類あるそうで、知識的な話ですが簡単にご紹介します。具体的には、「身体的依存」「心理的依存」に分けられるそうです。

・身体的依存

  こちらは比較的分かりやすいと思います。タバコに使われている600種類以上の添加物やニコチンの影響で、物理的にニコチン依存症になってしまうことです。ニコチン切れになるといわゆる禁断症状が起こり、落ち着かなくなったりイライラしてしまうっていう流れですね。一般的に想像する「禁断症状」ってこちらではないかと思います。

・心理的依存

 これは、「喫煙」がありとあらゆる生活習慣と結びついており、「喫煙」がなくなったことで喪失感のようなものを感じることを言うみたいです。分かりにくいかもしれませんが、例えば以下のような感じでしょうか。

  • ・起床後1発目はベランダで一服
  • ・朝のコーヒーと一緒に一服
  • ・朝食後もとりあえず一服
  • ・通勤の運転中に一服
  • ・仕事が一区切りしたらタバコ休憩
  • ・昼食後と休憩時間にも一服
  • ・退勤後も一服
  • ・晩酌後も一服
  • ・寝る前もとどめの一服

 こうしてみると、毎日必ず行うアクティビティに「喫煙」が密接に絡んでいませんか?上記の行動からタバコを抜くと、「なんか寂しい」「なんか物足りない」と強く感じてしまう事を、「心理的依存」と呼ぶそうです。

 こればかりは個人差もあるので単なるいちレビューに過ぎませんが、筆者個人としてはこの「心理的依存」が「身体的依存」よりもはるかにきつかったです。

仕事が一区切りしたタイミングで、ちょっとオフィスを抜ける。
さわやかな風と日光を浴びながら一服。同じタイミングで出て来た同僚や先輩とあーだこーだと談笑し、なんとなくみんな戻る空気になったらぞろぞろオフィスに戻って仕事を再開する。

よくある日常的な風景です。もしこのワンクッションがなかったら、

「どのタイミングで一息つけというのだろうか。常にデスクに張り付いていなきゃならないじゃないか。こんなの息継ぎなしで永遠にクロールで泳げと言われているようなものだ!」

と感じてしまいそうです。実際にはいくらでも方法はあるんですけどね。他にも、

今日も一日仕事をやり切って帰宅。妻が作ってくれた夕食を食べ一杯ひっかける。
妻や子どもたちの話にも耳を傾け楽しい家族団らんの時間。一通り食事が終わったら、一人ベランダに出てタバコに火をつける。暗いし風は冷たいけど、一瞬だけ周りの喧騒から切り離されて物思いに浸れるこの時間が俺のプライスレス。

みたいな感じだったのに、禁煙してしまうと

「あれ?この状況から離脱する手段がない。俺は寝るまで妻のご近所の愚痴マシンガントークと子どもたちの動物園のような雄たけびを聞き続けなければならないのか?俺のプライスレスはどこに行った?」

となるわけです。これはあくまで例であって、筆者の家庭がこうというわけではありませんよ。奥さんの話もちゃんと聞いてあげてください。

 何が言いたいかというと、日常的な行動に密接に絡みついた「喫煙」という習慣を急に切り離すとものすごく違和感を感じるし、どうしてよいのかわからなくなってしまうのです。筆者はこれが一番大変でした。「ちょっと外に出て一服」という行為自体に対する未練というか懐かしさというか、これがなくなったことに対する寂しさはなかなか強烈でした。

 その違和感を紛らわす方法として「ガムをかむ」とか「おやつを楽しみにしてみる」とかいろいろな案があると思いますが、こればっかりは各個人で見つけて脱却するしかないと思いました。ぶっちゃけ。普遍的な方法とかあれば良いのですけど。

・安定するまでの経過

ここからは、記録が残っている範囲で筆者の禁煙がどのような経過をたどったのか最初の1ヶ月だけざっくり簡単に書いてみようかなと思います。

初日~2日目

禁煙を始めたばかりなので、逆に気合が入っておりなんとか耐えられている。緊張の糸が切れる頃の方が怖い。ニコレットを購入した。タバコを吸いたいという衝動がないわけではないが、何とか気を紛らわした。

3日目~7日目

上記の「身体的依存」の禁断症状のような、イライラや不安といった症状は意外にもそんなにない。禁断症状の一つに「眠気」があるらしいが、筆者の場合これがとんでもなく強烈だった。まじで仕事にならない。4日間くらいデスクで仕事しているふりをしてやり過ごす。運転の時間に合わせてニコレットを服用し居眠り運転を回避する。

8日目~14日目

恐ろしい「眠気」の症状からようやく解放される。少しだけ、のどの痛みやガラガラの改善が見られた。またお肌の調子も少し良いみたいだった。概ね禁断症状が強烈なのは最初の2週間くらいと言われているようだ。筆者も概ねその例に当てはまったようだ。

14日目~1ヶ月

ニコレットがだいたい1ヶ月間の使用が目安となっており、筆者もその通りに使用をやめる。このタイミングで特に問題はなかったが、たまに油断したときに「あ、タバコ吸いたいな」と思ってしまう。

以後、継続。

 この後も、禁煙日数を計算するアプリを使いながら地道に耐えました。本当に少しずつですが、タバコを思い出す事も減っていきました。ご覧いただいて分かる通り、筆者の場合は禁断症状も決して重篤ではなく、なんとか個人で我慢すれば良いレベルのものでした。

 念のため書いておくと、この記事は「このやり方ならうまくいくよ!」という趣旨のものではありません。あくまで筆者の体験談なので、これから禁煙を考える方は医師や専門家に相談する事もしっかり視野に入れて動いた方が良いと思います。

現時点での感想

 冒頭に記載した通り、この記事の執筆時点で禁煙継続期間は2年半と少し。最近は起きている間はタバコが欲しいとも思わなくなったし、多少お酒を飲んでもその欲求が強まる事もなくなってきました。

 いちいちタバコ休憩をとっていた生活リズムも逆に忘れてしまい、タバコのない生活がだいぶ当たり前になってきています。子どもと接するのにもその点は気を使わなくて良いし、余計な出費も当然減っています。

 健康面も、お酒をやめていないので見違えるほど改善したとはいえないのですが、概ね良好になっていると思います。これは意外だなと思った影響で、私だけかもしれませんが虫歯になることがほとんどなくなりました。何か関係あるのかな?喫煙時は半年に1回は急に痛み出して神経ぬきぬきみたいなことしていたのですが、タバコをやめてぱったりです。

 とはいえ、もう完全にタバコをやめたといって良いくらいには時間が経っているとは思うのですが、実は今でも

なんか気が付いたらタバコに火をつけて吸っていて、「あ、やべ、禁煙失敗したわ」という夢を見ます。いまだに。禁煙して2年半以上経っていてもです。目が覚めて、「夢だった。禁煙失敗してなかった」と心臓バクバクと謎の安心感で1日が始まるんです。

 個人的には、これがすごい怖いです。日中は理性が働ているので特に何もないですが、睡眠中とか無意識下ではいまだに脳みそがタバコに未練がある様子が顔をのぞかせるのです。「ああ、完全に脱却で来たわけではないのかな」とか「薬物依存ってまじでえげつないな」と改めて思います。

 おそらく本当の意味では「禁煙」は完了していないんだろうなと、時々気を引き締め直しています。

さいごに

 今回の記事は完全な自分語りでしたが、自分がこれまで挑戦してきたことの記録を残しておきたいと思い書きました。

 改めてですが、この記事の内容は「このやり方で禁煙は成功する!」という趣旨ではなくただの筆者の体験談です。本格的に禁煙を考えている方の目に触れて少しでも参考になれば幸いですが、基本的には医療機関や専門の機関に相談したりなど、プロの助けを借りる事も十分検討したうえで挑戦する方が良いんだろうなと思います。

 今や様々な禁煙法が出ていますし、脳や体の仕組みを理解した上で「精神力や自制心に頼らない科学的な方法」で禁煙を成功させるというのが主流になっていきているようですので、無理せずいろいろな手段を検討した方が実際は良いと思います。

 一つだけ本音を言うとするならば、禁煙は科学的で合理的な手法で出来るだけ無理せずに成功させるのが一番なのはもちろんなのですが、正直それでも、最後の最後は個人の精神力と気合の問題になるんじゃないかなと思っています。正直。

というわけでとりとめもなく書いてきましたが、読んでいただいた方ありがとうございました。

筆者のこれまでの経験で、何か記録に残す価値がありそうなことがあれば、これからもどんどん記事にしていきたいと思います。

ではまた!

筆者近影イラスト


ryosuke miyahara

 子育てと仕事を両立したい。時間に融通の利く働き方をしたい。 いろんな思いが爆発した結果、特に後先考えずに6年間勤めた会計事務所を退職。 約3ヶ月の独学と数ヶ月の準備期間を経てwebデザイナー・コーダーとしてデビュー(予定)の30代の疲れたおじさん。
 ポートフォリオサイトをWordPress化したので、せっかくだから記事の投稿機能を練習がてら実装。 何もしないのももったいないので、徒然なるままに何かあれば投稿していきます。

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